実話怪談という所為は、書くことに先んじて何処かに埋もれて眠り続ける素材を、掘り当てることから始まる。
その意味で、発掘を旨とする考古学にも似ている。あり得ないと言われ続け、そのまま忘却の彼方に流され消えていく体験談を探し当て、発掘し、その実在を記録するのが実話怪談である。
これまで、「超」怖い話はシェークスピアであることよりも、常にシュリーマンであり続けたいと願ってきた。過去の超‐1では、多くの応募者によって発掘された夥しい実話怪談を、怪コレクションという作品集に記録、保存する僥倖を得た。
これは、発掘者の不足から忘れられ失われがちな実話怪談を記録するための方法として、この上なく効果的であった。
また、そうした次代のシュリーマン達、実話怪談発掘の担い手そのものを広く発掘し、その活躍の機会を提供できるよう継続的に支援していく必要を痛切に感じた。
さらに、超-1を単純な作品発表の機会としてだけでなく、著者が自らを鍛える鍛錬の場として機能するよう、強く期待している。
以上を受け、超-1発祥の礎である「超」怖い話とその精神を継ぐ恐怖箱に連なる実話怪談著者達の今後の活躍の機会をさらに広げていくため、超‐1実行委員会は超‐1/2012年大会の開催をここに宣言する。
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